対物賠償責任保険

自動車事故で相手に損害を与えてしまった場合、被害者に対して加害者は損害賠償をしなければなりません。例えば、誤った運転で、他人の車や建物を壊してしまったという場合には、その事故の相手への損害賠償責任を負うことになります。このような損害に備える保険が対物賠償責任保険です。対物賠償責任保険は、対人賠償責任保険と一緒に、自動車保険の基本補償のひとつです。賠償責任の基本的な規定は、対人賠償責任保険と共通する部分も多いのです。保険の約款では、対物と対人とを合わせて賠償責任条項としている保険会社もありますが、対物賠償責任保険条項として独立させている保険会社もあります。しかし、どちらにしても基本的な規定に違いはありません。このような約款構成の違いについても確認しておきたいと思います。対物事故は、対人事故とは異なり自賠法が適用されません。民法に基づく不法行為責任を負うことになります。民法709条では、故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負うとされていることによります。運転中の不注意で他人の財産に損害を与えてしまった場合など、まず運転者の責任が問われます。しかし、事故にあった車が会社の車だったなどという場合などには、事業主が使用者責任を負うことになります。加害運転者の使用者としての責任が民法715条に定められています。対人事故では、自賠法による運行供用者責任があることから、使用者の責任は、自賠法上の責任に吸収されることになりますが、対物事故の場合には、民法の一般原則によることとなります。こうした責任をカバーするために、お車の所有、使用または管理に起因して下さいという記述があると思われます。

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